家族の反対で結婚できなかった私と彼。姿を消してしまった彼の気持ちって?
ユミさん(女性 33歳 埼玉県 会社員)から投稿いただいた「彼の気持ち」体験談です。
警戒心が強く、あまり恋愛をしてこなかったユミさん。
しかし、同じ職場の彼に出会い次第に惹かれていき交際を始めます。
交際も順調で、結婚を考えるようになったユミさんは、彼との結婚の許可を両親に貰いに行きましたが、思わぬ理由で反対を受けることになります。
彼の気持ち体験談メモ
お名前:ユミさん(仮名)
性別:女性
当時の職業:会社員
年齢:33歳
地域:埼玉県
悩み:彼の出身地が原因で親族から結婚を反対されている
当時の状況:同じ会社の彼と結婚を前提に交際中
2人の仲を引き裂いたどうしようもない力
6年前のこと。
職場で同じ部署になったFさんと、たまたま同じ案件を一緒に担当して話すようになり、私は一緒にいて、とてもほっとする人だなと思いました。
私は元来慎重な性格で、思春期のころからあまり男性を好きになったりしたことはありませんでした。
警戒心が強いのかもしれません。
そんな私の心を無防備にさせるというか、開放させたのがFさんでした。
私より2歳年上のFさんは、大学の夜間部を苦労しながら卒業した人で努力の人でした。
物知りで、よく気がつく人で、社内でも人が嫌がることを率先して請け負ってやる人で、周囲からの信頼も厚い人でした。
“こんな人と付き合いたいな”と思いながら、遠巻きに見ていた私ですが、ある時、職場の男性の同僚から、「F氏が君と食事に行きたがっているよ」と。
それがきっかけとなり、Fさんと私は急速に近づき、食事に行って以降、連絡を取り合うようになり、やがて交際するようになりました。
慎重だった私を変えてくれた彼という存在
付き合うなかで、いろいろな部分が見えてきました。
会社ではとても毅然としていて、隙の無い感じのFさんですが、本当はだらしのない部分があったり、甘えん坊的なところがあったりすることが分かりました。
しかし、それがかえって彼の魅力として私には映りました。
そして、慎重すぎるぐらい慎重だった私の心が変わったのです。
私の慎重な性格の根底には、自分が完璧でなければならないという、肩ひじ張った感性が横たわっていたのかもしれません。
しかし、Fさんの姿を通して、“ありのままでいいんだ”と思えるようになり、かえって完璧をめざない方が物事をうまく進めることができると感じるようになりました。
Fさんと付き合い始めてから、友人たちからも「性格が変わった」「丸くなった」と言われるようになりました。
私は”恋愛は自分を高めてくれるものなんだ”と思いました。
2年ほど交際して、Fさんからプロポーズされました。私は二つ返事でお受けしました。
その後、Fさんが私の家に来て、両親に挨拶。
すべては順調に進んでいっているように思えました。
思わぬ理由で両親から結婚の反対
そんなある日の夜、私は両親に呼ばれました。
神妙な顔つきの父が言いました。
「彼との結婚はあきらめなさい」と。
私はびっくりして訳を訊きました。
父は苦い表情で説明しました。
叔父(父の弟)が、念のためにFさんの家系を調べたとのこと。
そうしたところ、Fさんの家が「部落」地域にあることが分かったというのです。
そして、Fさんの家系は部落の出身であると。
私は、「部落」について、なんとなく知ってはいましたが、どういう意味をもつものかは深くは知りませんでした。
父は、「結婚というのは二人だけの問題ではないんだ。今は分からないかもしれないが、後で分かるようになる」と言いました。
私は必死で抵抗し、母に助けを求めましたが、母は困った表情を浮かべるだけでした。
その後、インターネットで「部落」について調べてみました。
そんなに深刻に考えるべき問題ではないと思いました。
それこそ、結婚して生活していくのは2人です。生まれがどうであろうと、親族がどうであろうと関係ないと思いました。
しかし、私の家も由緒のある家柄らしく、両親以上に親族でもそういうことに細かく口を挟んでくる人がたくさんいたようです。
彼との突然の別れ
私は正直にFさんにそのことを告げた後、言いました。
「分からず屋の両親でごめんなさい。でも私の気持ちは変わらないから、これからもよろしくね」と。
Fさんは黙って私の話を聴いていました。
そしてひとこと、「みんなが幸せになせなきゃならないよ」と言いました。
初めて見る寂しそうなFさんの表情でした。
次の日、Fさんからの手紙が私のデスクの中に入っていました。
手紙には、次のようなことが書かれていました。
「君の両親も親族の方々も悪くないよ。それに僕も落ち込んだりしていない。慣れていることだから。君と付き合えたことは僕にとっての財産だ。とりあえず、さようなら」
私はショックで、彼に連絡を取ろうとしましたが、メールも電話もつながらなくなりました。
そのしばらく前に、彼は職場の部署が異動していたので、会社でも会えません。
ひと月ほどして彼は会社を辞めました。郷里に帰ったとのことでした。
未だに感じている後悔
あれから4年。
いまだに私は彼のことが忘れられず、新たな恋を探そうという気になれません。
両親に反対されたあの時に、無理矢理彼の元に押しかけていればよかったと思ったりする日々です。
ユミさん(女性 33歳 埼玉県 会社員)
ユミさん、貴重な体験談を投稿していただきありがとうございました。
出身地が原因で結婚を反対された彼の気持ち
せっかく大好きな彼と結婚目前というところまで進んでいたのに、悲しい結末となってしまいました。
とてもお辛い経験をされましたね。
口では差別は良くないと言いながら、実際に自分の身に降り掛かってくると平然と差別を行う。
人間てそんなものなのかもしれません。
若い世代の人からすると、部落という言葉は馴染みが薄いでしょう。
私もそれなりに歳を重ねていますが、あまりピンときません。
身近にいても特に何も感じないと思います。
ですが、お年寄り世代や関西方面では未だに根強く偏見が残っているようですね。
場所によっては治安が悪かったり、親戚に堅気では無い方がいたりする場合も多いようですし。
さて、ユミさんの彼ですが、ユミさんがご家族や親戚の方から結婚を反対されていると聞き、自ら身を引いています。
恐らく部落出身ということで彼自身も偏見に晒され、沢山の辛い思いをされてきたのでしょう。
もしかするとトラウマを抱えているレベルだったかもしれませんね。
交際は個人間の問題ですが、結婚となると周りの人が大きく関わってきます。
ユミさんに自分が原因で辛い思いをさせないために、彼は自ら身を引いたのだと思います。
彼は本当にユミさんのことを大切に思っていたのでしょうね。
そして、同時に自分の出生を心から憎んだと思います。
何故自分はこんな思いをしなければならないのか…と。
この出来事から時間が経過してしまっていますからもう遅いかもしれませんが、普通は別れてからすぐに結婚を考えた女性のことを完全に振り切ることは出来ません。
彼も同じでしょう。
別れの手紙にも”とりあえず、さよなら”という言葉がありましたからね。
もしかすると彼は再び戻ってくる気があったのではないでしょうか?
ユミさんも、結婚を考えていたのであれば、彼の実家の場所などは把握されていたのではありませんか?
もしユミさんが行動をしていれば…と思ってしまいました。
邪推でしたね。
もし未だに後悔が消えないのであれば、彼の消息を掴んでみてはどうでしょうか?
どんな結果になるにしろ、次のステップへ進むために、彼の気持ちを確認できるのであればした方がいいでしょう。
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